連載

改良湯|渋谷区 東

渋谷で100年続く社交の場

リゾート気分を味わえる都心の銭湯

渋谷駅と恵比寿駅ともに徒歩13分ほどに位置する「改良湯」は、2018年12月21日にリニューアルオープンしたばかりの銭湯です。

改良湯に到着してまず目にするのは、大きな鯨の描かれた壁画。この壁画は、アーティストのemi tanajiさんによって描かれたもの。古くから鯨は「えびす」と呼ばれ、恵比寿様の化身と考えられていていました。恵比寿地区では、毎年秋に「恵比寿鯨祭」が開催、まちのシンボルをモチーフとして描かれたそうです。

改良湯
明治通から少し住宅街に進むと鯨の壁画が出現

リニューアル前は、よくある“まちの銭湯”という印象でしたが、リニュ ーアル後には、和モダンを活かしたスタイリッシュな佇まいとなり、浴室は間接照明により明るさを抑え、よりリラックスできる空間を構成。浴室の壁画は、アーティストのGravityfree(グラビティーフリー)さんによるもので、「渋谷の昔と今」を表現してコラージュしたもの。

改良湯

改良湯
田園風景が残る昔の渋谷と高層ビルが立ち並ぶ現在の渋谷をイメージして描かれた壁画

近未来的な雰囲気でありながら、落ち着く浴室内には、男女とも中温風呂、炭酸泉風呂、遠赤外線サウナ、水風呂があり、水は軟水を使用しているため、肌に優しく新陳代謝の活性にも効用のある柔らかいお湯を楽しむことができます。炭酸泉風呂は、高濃度炭酸泉が使用され、温めのお湯にゆっくり浸かり、疲労回復やリラクゼーション効果を満喫できます。

サウナは、2段で4~6人が座れる広さ。男湯は100度、女湯は90度程度の設定でジャズを聴きながら楽しむことができます。

改良湯
浴室全体の照明を下げ、間接照明を使用してくつろぎの空間を演出

手間が中温風呂で奥が炭酸泉。見るからに柔らかそうな水が張られている浴槽
手間が中温風呂で奥が炭酸泉。見るからに柔らかそうな水が張られている浴槽

幻想的なスポットライが当たる水風呂
幻想的なスポットライトが当たる水風呂

脱衣所は、木目と白を基調とした落ち着いた空間。ロッカーはやや大きめのつくりで、洗面台には仕切りが設けられていたり、女湯のドライヤ ーは「ヘアビューザー」が用意されているなどお客様の立場になって考えられた設備が各所に反映されています。

都心の真ん中で、まるでリゾート施設に訪れたような感覚を460円で楽しむことができます。

清潔感ある広々とした脱衣所
清潔感ある広々とした脱衣所

創業100年を超える老舗銭湯を支える若手経営者

改良湯は、1916年(大正5年)に創業。今年で103年目を迎えた老舗銭湯で、3代目ご主人が組合などの仕事が多忙になり、現在は4代目となる大和伸晃さんと慶子さんのご夫婦で経営をしています。慶子さんは、3代目ご主人の3人姉妹の次女であり結婚を機にご夫婦で4代目を引き継ぐことに。

「子供の時から銭湯の掃除や番台などを手伝っていましたが銭湯を継ぐなど考えていませんでした。しかし生まれ育った場所で、姉妹の遊び場でもあった銭湯には愛着があったこと、それに100年続いた銭湯を守りたいという気持ちもあったかもしれません」という慶子さん。

ご主人の伸晃さんも結婚前は、全く異なる業種からの転向。「経営を引き継いで10年を超えましたが、当初はもう無我夢中でした」という。

4代目の大和伸晃さんと慶子さん
4代目の大和伸晃さんと慶子さん

配管設備などの老朽化が進んできたことにより、フルリニューアルを決意。設計・施工を依頼したのは多くの銭湯の設計を手掛ける建築家の今井健太郎さん。

リニューアルの細部に関してのこだわりは、慶子さんの体験からくるこだわりが反映されているところも多いといいます。

「蛍光灯だと明るすぎて、裸やすっぴんを照らされているようで恥ずかしい」という女性ならではの視点で照明を落とすことにより、人目を気にせずリラックスして落ち着ける空間へと配慮されています。

また、地域への貢献ということも含め、改良湯のコンセプトでもある「人・文化が交差する銭湯」の一つの活用として、「渋谷CROSSING」をテーマに様々な人とのコミュニティーの場であり、文化の発信などのイベント活用ができるように、脱衣所のロッカーを可動式にして、男湯と女湯の仕切りを取り除きイベントスペースとして利用できるように工夫がされています。

「月1回程度に利用されています。ワイヤレスヘッドホンを使用してのDJパーティーやバイオリンの演奏などに使われてきました。改良湯の自主企画ではなく、幅広い地域の方々にお役に立つスペースとして利用していただきたい」と伸晃さん。

黒の漆喰で塗られた外観に白いのれんが掛かるシックな外観
黒の漆喰で塗られた外観に白いのれんが掛かるシックな外観

改良湯のある渋谷区東は、明治通りを少し入ったところにある閑静な住宅街。昔ながらの常連客が開店前から並び、下町の銭湯と変わらない風景が目に付きます。リニューアル当初は、以前との変わりように落ち着かなかったという常連客も、今では前より落ち着くと評判。温度の設定を低くした湯船も好評とのこと。また、リニューアルに伴い若い世代やファミリー世代も増えたそうです。

「外国人のお客様も増えていますが、Youtubeなどで銭湯の入り方を事前に覚えてくるみたいで、皆さんルールをしっかり勉強していますね」という。

「世代を超えた社交場であり、1日の汗を流してリラクゼーションできる場として地域にこれからも根ざしていきたい」と伸晃さん。

⬛ 改良湯

営業時間:月~金曜日 15:00~24:30/日曜・祝日 13:00~23:00(最終入場は閉店の30分前まで)
定休日:土曜日
入浴料:大人460円、中学生300円、小学生180円、未就学児(2人目まで無料)80円、共通入浴券(10枚)4,300円
その他の販売:サウナ(入浴料別途・バスタオルセット付き)350円、ドライヤー3分20円、改良湯オリジナルタオル250円、他。

住所:東京都渋谷区東2-19-9
改良湯 HP

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