銭湯大好き家族【1】
銭湯で結婚式を挙げたというほど、銭湯好き家族による銭湯コラム
わたしたちについて
こんにちは、はじめまして。墨田区在住の3人家族です。父はアラフォー、母は30代半ば、娘は1歳10か月、夫婦共働きです。
銭湯が好きな、まぁごく普通の家族と言っても良いかもしれません。娘は9ヵ月の時に寺島浴場(墨田区東向島)で初めて銭湯に入ってから週1ぺース。自宅で、シャワーで済ませようとすると、湯船に浸かるのが好きなのか、バスタブをバンバン叩いて主張します(まだほとんど喋れません)。
◆ 銭湯結婚式
「銭湯で結婚式を挙げた」と言うと、驚かれたり、怪訝な反応が返ってくることがしばしば。
「出席者は裸だったの?」「新郎新婦の入湯です!ってやったの?」などなど。一番多いのは「ど、どういうこと?」ですが。
2011年6月寿湯(墨田区八広・廃業)にて、私たちは人前式の結婚式を挙げました。銭湯が女湯・男湯に分かれているように、ここではそれぞれの視点から、銭湯で結婚式を挙げるまでのいきさつなどをお伝えしていきます。
◆ 女湯・妻目線
2010年に入籍して墨田区に引っ越し、新しい生活をスタートさせたわたしたち。
バタバタして結婚式は先送りになっていましたが、結婚式場など一般的な場所ではなく、せっかくならもっと面白い場所で挙げようということになりました。
銭湯で挙げたいと言い出したのは、相方さん。仕事帰りに銭湯に寄って銭湯お遍路のスタンプをコツコツとゲットしていました。「旦那の趣味に付き合って偉いね」と言われることもありますが、面白そうだったので、抵抗はありませんでした。
実は私は相方さんと付き合う前までは銭湯に入ったことがなかったのですが、いっしょに銭湯に通ううちに、だんだんと魅力に気が付き始めている、そんな時期でした。
今はすっかり相方さんともども銭湯好き、女湯と男湯でレイアウトや設備が違うこともままあるので、入浴後にお互いに浴室の様子をシェアしています。両親も銭湯で結婚式を挙げることには賛成してくれました。
結婚式会場に決まった寿湯は、「八広」というおめでたい地名で「寿」湯ということで、ネーミングからして結婚式にぴったりの場所でした。しかも、浴室には、ライトストーンで作られた富士山の絵があるという、これも結婚式にぴったりなキラキラ。
◆ 男湯・夫目線
結婚式をどこで挙げるか?
一生の思い出になるイベントは、レディメイドのものではなく、場所や内容にはこだわりたいね、と奥さんと話になりました。
僕は小さいころに故郷の北海道函館市でよく銭湯に行っていて、大人になってから銭湯巡りが趣味の一つになっていました。
奥さんと一緒に暮らすために、いくつかの候補地をあたりましたが、その決め手となったのも銭湯でした。
物件の下見で来た時に寄った曳舟湯(墨田区京島・廃業)は漆喰塀に千鳥破風、東京型の天井の高い湯音46℃の思い出深い銭湯でした。「こんな銭湯がある街に暮らしたい」と、近所にあまり銭湯の無い江戸川区葛西に住んでいた僕は思ったものでした。
なお、当時、都内には800軒余り、墨田区内には40軒余りの銭湯がありましたが、現在は都内に550軒余り、墨田区内には20軒余りとなりました。
ぼくが赤ちゃんの時に、函館で初めて行った湯船で溺れかけた銭湯も今はありません。でも何だかあのお湯のあったかさは覚えているような…。
銭湯で結婚式を挙げた友人はいませんでしたが「気のいい銭湯の旦那や女将さんに相談すれば何とかなるだろう」という希望的観測のもと、企画書をまとめて銭湯に相談しにいくことにしました。どんな思いでどういう趣旨で結婚式を挙げたいかをまとめて、相談に行った2軒目、ご主人は二つ返事で「いいよ」と言ってくれたのが寿湯でした。
寿湯には引っ越してきて一度行ったことがあり、ペンキ絵の富士山の部分がキラキラしていて、ライトアップもされてるし、なんだか凄い銭湯だと思っていました。浴室天井は8mほどあって、墨田区随一の高さだったそうです。クリスタル富士はTVチャンピオンの企画で出来たものだったとか。
この開放感がある浴室で記憶に残る結婚式をやれるんだとワクワクしたものでした。
◆ 銭湯での結婚式
さてさて、この後の結婚式当日とそこに至るまでは、銭湯にまつわるエトセトラとともに、次回お伝えしたいと思います。
ここまでお読みいただいて、ありがとうございました。
ペンネーム:銭湯さいこう家族